軽度認知障害の段階での認知症発症予防対策

認知症の「予備軍」である軽度認知障害の段階で予防対策に取り組めば、認知症に進行するのを防げる可能性があります。 認知症の発症を防ぐための具体的な対策について紹介します。
(*本文は下の方にあります)


軽度認知障害の段階での認知症発症予防対策

■軽度認知障害だとわかったら

運動、知的活動、コミュニケーションで予防する

認知症の発症を食い止めるために、運動、知的活動、コミュニケーションなどに取り組む認知症の予防教室があり、成果を上げています。 鳥取県琴浦町で行われている、軽度認知障害のある人を対象とした認知症予防教室で参加者の認知機能を調べると、 3か月後、3年後と認知機能が改善していました。参加者の多くで認知機能が改善し、中には正常な数値にまで改善した人もいます。 また、琴浦町では、高齢者の認知機能の改善に伴い、介護保険の認定率も下がっています。 その結果、高齢者が増えているのに、介護費用は減少するという成果も得られています。 認知症の予防教室は、さまざまな自治体で行われています。詳しいことは、住んでいる市区町村の担当窓口や地域包括支援センターに確認するとよいでしょう。


■自分でできる6つの対策

大切なのは、体を動かすことと頭を使うこと

軽度認知障害の段階から、認知症の発症を防ぐために、自分でもできることがあります。 基本は体を動かすことと頭を使うことで、脳の神経細胞を活性化する、というものです。 特に、次のような対策が勧められます。

▼適度な運動を続ける
無理にスポーツをする必要はなく、自分にできる運動を行います。最も手軽なのが散歩です。 1日30分から1時間程度の散歩を、なるべく毎日行いましょう。誰かとおしゃべりしながら歩くと、より効果的です。 最近の研究で、運動を行うと、脳の神経を活性化させる物質であるアセチルコリンなどの分泌が増えると報告されています。 また、運動によって、脳に新しい血管を作る物質も増えてくると考えられています。

▼考える習慣をつける
認知症予防には、日ごろから考える習慣をつけて、頭を使うことが必要です。 例えば、囲碁や将棋などがお勧めです。

▼創造的な趣味を持つ
ものを作る行為は脳の神経を活性化します。手芸や工芸、陶芸などの他、絵を描くのが苦手な場合は、塗り絵もよいでしょう。

▼適度な緊張感でおしゃべりをする
大切なのは、適度な緊張感を持つことです。同じ人とばかりしゃべっていると、どうしても緊張感が乏しくなってきます。 初対面の人にも進んで声をかけ、適度な緊張感のある会話を楽しむことで、脳の神経細胞が活性化します。

▼旅行を楽しむ
旅行に出かけていつもと違う場所や風景と出会うことは、脳の神経細胞を刺激します。 温泉につかれば、心と体が癒されてリフレッシュできます。 また、旅行プランも人に任せず、計画を立てる段階から積極的にかかわっていろいろ考えるようにしましょう。

▼新しいことにチャレンジする
高齢になると、これまで慣れ親しんできたこと以外への関心を失いがちですが、今までやっていないことにチャレンジすることは、脳の神経細胞を強く刺激します。

これらの対策は、認知症と診断されている人の症状の悪化を防ぐうえでも有効です。 ただし、認知症の場合はスムーズに行えないこともあります。 必要に応じて周りの人がサポートしましょう。


●生活習慣の予防・治療も大切

糖尿病、高血圧、脂質異常症などの生活習慣病は認知症の発症リスクを高めます。 認知症の発症を防ぐためには、生活習慣病の予防と治療に、積極的に取り組むことが必要です。 タバコを吸う人は禁煙しましょう。

●長く続けることが大切

認知症対策は、陸上競技に例えると100メートル走ではなくマラソンです。 自分に合った対策を、自分のペースで長く続けていきましょう。