認知症の介護『食事にかかわる問題』


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■食事にかかわる問題

●食べない

食事に手を付けない理由は、いろいろ考えられます。アルツハイマー病が進行すると、病気そのものの症状として 食欲が低下することがあります。一時期、食が細くなって、体重が減少する人がいます。 また、うつ症状を伴っているときにも食欲がなくなります。 抗認知症薬の「ドネペジル(商品名:アリセプトなど)」を使用している場合は、 その副作用として食欲低下が現れることがあり、飲み始めの時期や増量後では、薬の影響も考える必要があります。 さらに、「便秘」などの体調の変化や運動不足が食欲低下の原因になっている場合もあります。 もちろん、高齢の人が多いので、胃がんなど、消化器の病気が合併していることも少なくありません。 入れ歯の不具合で食べにくいという場合もあります。 一方で、食事が生活の上で大きな楽しみであることは、認知症の人でも変わりありません。 「騒がしい環境で食事がしにくい」「食材が硬くて食べにくい」「冷めていて美味しくない」 「食器が味気なくておいしそうに見えない」など、健常な人も食欲がわかないような状況では、 認知症の人も食欲が低下します。”認知症だから”と片付けず、十分注意を払ってください。


●食べていないと言い張る

本人は”まだ食事をしていないからおなかが減ってつらい”と思っています。 ですから、「さっき食べたばかりでしょ!」と否定したり、「夕食の時間まで待ってね”などと、 あまり我慢を強いるのはよくありません。 「あら、まだだったわね」と本人の主張を受け入れ、ゼリーなど、低エネルギーのおやつを少し口に入れてもらいます。 ただし、間食ばかりしていると、総摂取エネルギー量が過多になってしまうので、あらかじめ3食分のエネルギー量を 少し減らすなどして調整しましょう。 また、趣味のことやテレビのことなど、食べること以外に注意を向けるのも、1つの方法です。 本人は”食べたい”と思っているので、食べ物があると口にしてしまいがちです。 食べ物は、なるべく目に付くところに置かないよう注意することも重要です。


●異食

ティッシュペーパー、花、石鹸、土など、食べ物ではないものを口にすることを「異食」といいます。 本人は食べ物だと思って口に入れているので、頭ごなしに叱るのはよくありません。 ただ、飲み込むと危険なものもあります。尖ったものや、硬貨のように小さくて硬いものは喉を傷つけたり、 詰まらせたりします。薬なども含め、口にすると危険なものは、認知症の人の身の回りに置かないようにしましょう。 異食は、軽度の段階で現れることはありません。異食が始まったことは、症状が進行したサインでもあります。