耳鳴り・難聴と認知症D聴力低下を招く生活

携帯電話の長時間使用・白髪染めの多用など、聴力低下・難聴を招く生活総点検
(*本文は下の方にあります)


■難聴の原因

難聴の原因の多くは、日常生活の習慣に潜み、紫外線・イヤホンによる音楽鑑賞にも要注意。

聴力の低下や難聴の原因は、日常の生活習慣にあることが少なくありません。どのような生活習慣が聴力の低下・難聴を 引き起こすかを知って、悪しき生活習慣の改善に努めることが重要です。老人性難聴は、老化が発症の大きな要因ですが、 最近わかってきたのが遺伝子との関連性です。私たちの体を構成している細胞には、ミトコンドリアという細胞小器官があって エネルギーを作り出しています。ミトコンドリアは他の器官と同様、内耳の中にも存在しています。 一方で、内耳には「バク遺伝子」という、ミトコンドリアにアポトーシス(細胞の自然死)を促すように働く遺伝子が 存在している人もいます。最近になってバク遺伝子が内耳の中でミトコンドリアを自然死に追い込むことが、 老人性難聴に関わっているとわかってきたのです。 バク遺伝子は多くの人に存在する遺伝子ですが、持っていない人もいます。また、持っていても 活性酸素(酸化作用の強い酸素) が少なければ活発に働くことはありません。バク遺伝子の害から内耳のミトコンドリアを守るためには、体内の活性酸素を いかに少なくするかがカギを握っているのです。体内の過剰な活性酸素から身を守るためには、ビタミンCや緑黄色野菜などの 抗酸化作用のある食べ物を積極的に摂ることが重要です。さらに、喫煙を控えることはもちろん、紫外線の害から身を守ったり、 ストレスをためないようにする工夫も大切です。

難聴になるのは、高齢者ばかりではありません。最近では、20歳前後の若い人たちに、高音部が聞き取りにくくなる軽度難聴が 増えています。若者の軽度難聴は、携帯電話の長時間使用や、ヘッドホン・イヤホンを使ってスマートフォンや 携帯電話型プレーヤーで長時間にわたって大音量の音楽を聴くことが原因です。耳を塞ぐような状態で強い音の圧力を受けると、 耳を傷つける危険性があるのです。長電話も障害を受けやすいのが内耳です。 内耳が障害を受けると、まず高い声から聞こえにくくなるのは、前ページで記述した老人性難聴の場合と同じです。 音響による難聴を「音響外傷」といいますが、工事現場など、大きな音や強い振動の中で終日働いている人もなりやすく 注意が必要です。音響外傷は、治療が難しい障害の一つです。そのため、予防が何よりも重要となります。 携帯電話の長時間使用を避け、ヘッドホン・イヤホンを付けて大きな音を長時間聴かないこと。 また、騒音や振動が激しい工事現場では、耳栓などの防音具をつけるのも効果的です。


●聴力低下・難聴を引き起こす生活習慣

暴飲暴食・長風呂など、聴力低下・難聴を招く生活の悪習慣を一掃し、耳・脳の健康を維持

次に聴力低下・難聴を引き起こす生活習慣をまとめておきましょう

▼喫煙
タバコは老化促進剤と呼ばれるほど、体内の活性酸素を劇的に増やします。複合的な要因が考えられますが、 喫煙者に難聴が多いのは事実です。体内の活性酸素が増えると、バク遺伝子の働きを活発にし、 老人性難聴を引き起こしてしまうのです。

▼紫外線
紫外線を浴びると、体内の活性酸素が増える原因になります。紫外線は、特に3〜9月に量が増えるといわれていますが、 一年中降り注いでいます。衣類や日傘、帽子は、色の濃いものを選ぶと紫外線をカットする効果が高まります。 しっかりと、紫外線対策をするようにしましょう。

▼白髪染めの多用
髪を染める液剤には、アリニン色素誘導体という毒性の強い化学物質が含まれている製品もあります。 毛染めを繰り返してアリニン色素誘導体が頭皮から吸収されると、難聴やめまいの原因になる危険性があります。 白髪が気になるという人には、ヘナという植物から作られた植物性100%の染毛剤を使うといいでしょう。

▼カフェインの過剰摂取
コーヒーや緑茶など、カフェインを含む飲み物は、1日1〜2杯程度が適量です。カフェインを含む飲み物は、 飲み過ぎると内耳の神経を興奮させてしまうため、耳の健康にとってはよくありません。

▼暴飲暴食
過食や大量の飲酒にも注意しましょう。エネルギーを消費するときに、大量の活性酸素が発生するからです。

▼長風呂や熱い風呂
長風呂や熱い風呂は血液の循環を過剰にして、心臓はもちろん、内耳への負担も大きくなります。 お湯の適量は38〜40℃、体温よりやや高めにして半身浴をするとよいでしょう。

▼薬の多用
薬の種類によっては、難聴の原因になるものもあります。何種類もの薬を飲んでいる人は、かかりつけ医や薬剤師と相談して、 一度薬を整理してみるといいでしょう。

▼過度のストレス
過度のストレスは、活性酸素を増やします。しかし、ストレスをゼロにすることはできません。 ストレスとうまく付き合うためには、生活のリズムを整えることが重要です。 規則正しい生活リズムは、自律神経の乱れを整え、耳の健康にも好影響を及ぼします。

いかがでしょうか。思い当たるものはありましたか。該当するものは、すぐに改善を心がけるようにしましょう。 聴力低下・難聴を予防し、音の刺激を脳に与え続けることで、いつまでも脳を若々しく保ってほしいと願っています。