認知症の予防に「緑茶」

緑茶』は脳血管や脳神経の損傷を強力に防ぎ、 脳梗塞や認知症を約6割も抑えるとという研究結果が報告されています。


■緑茶と認知症

1日2杯以上の緑茶で認知症の発症率が低下

東北大学大学院医学系研究科の栗山真一博士の研究グループにより、認知症の予防に緑茶が優れた効果を発揮することが 判明しました。この研究では、2002年に仙台市在住の70〜96歳の男女1003人を対象に、緑茶を飲む習慣と認知症の発症 との関係について調査されました。具体的には、対象者1003人を緑茶を1週間に3杯以下しか飲まない人、 1日に2〜3杯飲む人、1日に4杯以上飲む人などのグループに区分し、それぞれの認知症の発症度を比較しました。 すると、1日2〜3杯飲む人と1日4杯以上飲む人のグループでは、週3回以下の人のグループに比べて、 認知症の発症率が6割り近く低いことが確認されたのです。

認知症の原因として、活性酸素による脳の神経細胞の損傷があることは、以前からよく知られていました。 緑茶には、強力な抗酸化作用が備わったカテキンが豊富に含まれています。 緑茶を多く飲むことで認知症の発症率が低下したのは、カテキンが活性酸素を消去して、脳の神経細胞の損傷を防いだため、 と考えられます。 実は、緑茶による認知症の抑制効果は、動物実験では確認されていました。 上記の調査結果は、動物実験で確かめられていた緑茶の認知症抑制効果が、人間にも当てはまることを裏付けたものといえるでしょう。


●アルツハイマー病の予防に

緑茶は、最近になって急増しているアルツハイマー型認知症の予防にも有効なことが、 海外の実験で報告されています。
米国のサウスフロリダ大学では、緑茶のカテキンの一つであるエピガロカテキン3ガレートを、 遺伝的にアルツハイマー病になるマウスに、数ヶ月間にわたって注射するという実験が行われました。 すると、記憶に関わる脳の海馬や大脳皮質に沈着し、神経細胞を死滅させてアルツハイマー病を招くβ-アミロイドという 悪玉たんぱく質の生成が、最大で54%抑えられてことがわかったのです。 また、英国のニューキャッスル大学の研究によると、緑茶には、アルツハイマー病を進行させる酵素として知られている アセチルコチンエステラーゼやβ-セクレーゼの働きを抑制する作用のあることも確認されています。
残念ながら、実際に人間が緑茶を飲んだ場合にどれだけアルツハイマー病を予防できるかについては、 まだはっきりとわかっていません。しかし、日常的に緑茶を飲むことで、ある程度の予防効果は期待できると考えられます。


●脳梗塞の予防に

認知症や突然死の原因となる病気に「脳梗塞」がありますが、緑茶は脳梗塞の予防にも著効があります。 前述の栗山博士の研究グループは、1994年から、宮城県に住む40〜79歳の男女約40,500人を対象として、 緑茶を飲む習慣と脳梗塞との関係についても調査を行いました。 この調査では、1日に飲む緑茶の量によって、対象となった人たちを4グループに分け追跡調査を行い、 それぞれのグループで脳梗塞による死亡率にどのような違いが現れるかを調べました。 その結果、1日に緑茶を5杯以上飲んでいる人のグループでは、脳梗塞による死亡率が、男性で約4割、 女性では実に6割以上も低いことがわかったのです。 こうした効果は、やはりカテキンの作用によるものと考えられます。脳梗塞は、動脈硬化が進んで脳血管が狭まったり 詰まったりすることで起こります。こうした脳血管の狭窄や閉塞を招く大きな原因と考えられているのが、 活性酸素による血管壁の損傷です。活性酸素によって血管壁が傷つけられると、その部分には動脈硬化が起こりやすくなり、 脳梗塞の引き金になります。 前述のように、カテキンには活性酸素を消去する力が備わっています。脳梗塞の死亡リスクが低下したのも、 カテキンが活性酸素の害を抑え、血管壁が傷つくのを防いだ結果といえるでしょう。


●最後に

このように緑茶は、認知症や脳梗塞など非常に厄介な脳の病気を予防する大きな効果を秘めています。 これらの病気に不安を感じている人は、積極的に緑茶を飲むようにするといいでしょう。