アルツハイマー予防によい食品「野菜&青魚」

アルツハイマー病は野菜・魚嫌いの人に多いことが調査でわかりました。 アルツハイマー病を防止する最高の食事は「青魚発芽玄米」で、 予防の第一は、1日2杯の野菜ジュースが有効です。
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■アルツハイマー病

アルツハイマー病は生活習慣病

日本人の高齢化が進むにつれて、認知症(ボケ)の症状が見られる人の数も、急激に増えてきました。 厚生労働省の推計によれば、65歳以上の高齢者のうち7.2%に認知症の症状が見られ、 約160万人の患者がいるとされています。2052年には、300万人を超えると予想されています。

認知症は、「脳血管性認知症」「アルツハイマー型認知症」に大別されます。 日本では認知症といえば、脳血管性認知症が主でした。ところが、1990年を境に、アルツハイマー病の患者が増えてきたのです。 前述の認知症患者160万人のうち、アルツハイマー病の患者は、約100万人以上に上ると見られています。 これは、減塩運動などによって高い血圧を下げ脳血管障害を防ぐことができるようになったことが大きな要因 と見られています。しかし、それだけではアルツハイマー病の患者数が増加していることは説明できません。 そうした中、「アルツハイマー病にも生活習慣が要因として関わっている」という報告が見られるようになって来ました。 特に、偏った食生活の人に、アルツハイマー病が多く発症していることが報告されたのです。

例えば、高齢者の認知機能(脳の働きが活発かそうでないかの具合)を調べた欧米の調査があります。 それによると、認知機能の衰えた人、つまり認知症の患者の特徴として、第一にビタミンC・E、β-カロテンといった 抗酸化成分の不足があげられています。この調査結果は、認知症の患者は、ビタミンやミネラルを豊富に含む 緑黄色野菜の摂取が不足している可能性の大きなことを示しています。 日本では自治医科大学の植木彰教授の研究グループが、アルツハイマー病の患者と健康な人を対象に、 食生活の詳しい調査を行っています。その調査でも、アルツハイマー病は、食習慣の偏りからくる生活習慣の要因が 大きく関わることがわかったのです。 アルツハイマー病の患者に目立つのは、野菜や魚が嫌いで、肉を好んで食べていること。 そういう人は、今からでも野菜と魚中心の食生活に切り替えるべきでしょう。


●青魚を常食する

脳の血流不足がボケを招く原因

上記のように認知症(ボケ)にはアルツハイマー型と脳血管性の2種類がありますが、 共通して見られるのは脳の血管の老化です。 アルツハイマー病になると、脳の大脳皮質に老人班と呼ばれるシミができ、脳が萎縮してしまいます。 老人班の正体は、βアミロイドと呼ばれるたんぱく質で、これが沈着した脳の神経細胞は死滅してしまうのです。 これまでの研究から、 「動脈硬化」 が進んで脳の血流が悪化すると、脳内に老人班ができやすくなることがわかっています。 一方、脳血管性の認知症も、動脈硬化によって血管壁に悪玉コレステロールや中性脂肪の蓄積することが発症の原因です。 つまり、アルツハイマー病も脳血管性認知症も、脳の血流不足によって神経細胞が障害を起こす病気だといえます。 そこで、認知症を防ぐには、脳の血流不足と神経細胞の損傷を食い止めることが大切になりますが、 その鍵になるのは日ごろの食生活の改善です。


◆魚を食べない人ほどボケやすいと判明

まず、注意すべきことは、脂肪の摂り方です。これまでの国内外の調査によれば、肉やバターなどの 飽和脂肪酸を大量に摂る人ほどアルツハイマー病になる危険度が高く、魚油やオリーブ油、ゴマ油、ナタネ油などの 脂肪は、逆に危険度を減らすことが報告されています。 飽和脂肪酸は、私たちの体内で固まりやすい性質があり、血液中でドロドロの状態になって動脈硬化を引き起こします。 反対に魚油は体内で固まりにくい性質を備えています。しかも、サバ・アジ・イワシ・サンマなどの青背の魚には、 DHA(ドコサヘキサエン酸)やEPA(エイコサペンタエン酸)といった脂肪酸が豊富に含まれています。 DHAやEPAは、血液をサラサラにして動脈硬化や血栓ができるのを防ぎます。 また、DHAは脳の神経細胞に蓄えられ、神経細胞の柔軟性を高めたり、傷ついた神経細胞を修復したりして、 脳内の情報伝達を活発にします。 実際、アルツハイマー病の患者さんの脳を調べるとDHAが少なくなっていることが確認されています。 また、魚を食べる回数が多い人ほど、アルツハイマー病を発症する危険度が減ることも確認されています。

◆魚油摂取の適量

認知症の予防を目的に魚油を摂る場合は、1日あたり2g程度を摂ることが奨められ、サバなら1切れ、アジの開きは1尾、 イワシは1〜2尾、サンマは1尾が目安になります。魚油を余すところなく摂るには刺身にして食べるのが一番ですが、 魚を焼く場合は、焼き網に油が落ちてしまうため、魚をホイルに包むといいでしょう。


ただし、脳の健康には適度な肉食も欠かせません。例えば、神経細胞を活性化させる脳内ホルモンにセロトニンがあります。 セロトニンは、肉や赤みの魚に含まれるトリプトファンというアミノ酸から作られ、不足すると鬱や認知症などを 引き起こしやすくなります。また、肉にはアラキドン酸という脂肪も含まれており、これから作られる ナンダマイトという物質(至福物質)は、脳に幸福感をもたらして不安感やストレスを和らげるほか、 記憶力の向上にも関わっています。つまり、脳の健康を守る食生活の秘訣は、魚を中心にして肉も適度に摂る ことだといえるでしょう。

【関連項目】
『オメガ3(n-3系脂肪酸)』
『DHA』
『DHA人気定番製品』

●野菜・果物を摂る

野菜の多食でボケの発病を70%も抑制

認知症の予防には野菜や果物の摂取も欠かせません。 アルツハイマー病の脳に現れる老人班では炎症反応が起こり、 「活性酸素」(攻撃力の強い酸素) の生じていることが指摘されています。 活性酸素には、体内に侵入した細菌や異物を撃退するという役割がありますが、 その一方で、活性酸素が体内に過剰に発生すると細胞を傷つけ、あらゆる病気や老化のもとになるのです。 脳についていえば、活性酸素は脳内にかなりの割合で含まれている脂肪を酸化させて、アルツハイマー病を引き起こす 原因となります。そうしたことにならないために、人間の体には抗酸化力が備わっていますが、 この抗酸化力は年を取るにつれて衰えてしまいます。そのため、体外から補う必要があるのです。 活性酸素に対して抗酸化作用をもたらすのが、ビタミンC・E、β-カロテンなどが含まれる野菜や果物。 野菜や果物の多くがビタミンCを多く含み、特にシソ・ホウレンソウ・パセリ・カボチャ・シュンギク・コマツナ などの緑黄色野菜にはβカロテンやビタミンEが豊富です。これらの抗酸化成分は、細胞が傷つくのを防ぎ、 悪玉コレステロールが酸化するのを抑えて動脈硬化の防止に役立ちます。

実際に、米国のシカゴでは、65歳以上の815人を対象に、食事(野菜や果物からの摂取による)のビタミンE の含有量を4段階に分け、約4年間にわたって追跡しています。 その報告によれば、ビタミンEの摂取量が最も多いグループは、最も少ないグループに比べて アルツハイマー病の発症率が70%も低かったとされています。 そのほか、野菜に含まれる葉酸やビタミンB群もアルツハイマー病の予防に役立つと報告されています。

◆緑黄色野菜の摂り方

緑黄色野菜を簡単に摂るなら、「野菜ジュース」にして摂るのがおススメです。 200mlの野菜ジュースを朝と夕方に1杯ずつ飲めば、ビタミンC・E、β-カロテンをはじめとしたビタミン群や ミネラルなど、必要な微量栄養素のほとんどを摂ることができます。 野菜ジュースは、手作りしてもいいですし、市販のものを利用するのもいいでしょう。 また、活性酸素対策にはサプリメントなどもよいでしょう。

【関連項目】
『野菜不足解消』