ボケ防止・アルツハイマー予防によい食品「乳酸菌」

アルツハイマー型認知症の人の腸内には悪玉菌が多いことが判明し、 ボケ防止には、腸内の善玉菌を増やすことがとても重要であることがわかりました。
(*本文は下の方にあります)



■アルツハイマー型認知症と乳酸菌との関係

腸内の善玉菌が脳に栄養を供給する

最近になって、「アルツハイマー型認知症」と、「腸内に生息する細菌」のバランスに、 深い関係のあることがわかってきました。 東京大学名誉教授の光岡知足氏らのグループの研究によれば、アルツハイマー病の患者の腸内には、 健康な高齢者と比べて「悪玉菌」が増え、反対に「善玉菌」が減っていることがわかりました。 悪玉菌の中でも、特にウェルシュ菌という腐敗菌が増えており、善玉菌のビフィズス菌 が著しく減っていたのです。 なぜ、このようなことが起こってくるのでしょうか。その理由は、腸内で脳に必要な栄養素が作られ、 それによって脳の働きが活発になるからです。つまり、腸内に住む細菌のバランスを整えて腸の働きを高めれば、 脳に送られる栄養が大幅に増え、脳の働きが活発になり、その結果アルツハイマー病の予防につながることになるのです。

私たちの腸内には、100兆個もの腸内細菌が棲み着いています。腸内細菌は、私たちの健康に有益な働きをもたらす善玉菌、 悪影響を及ぼす悪玉菌、そのいずれかの優位な方に加勢する日和見菌の3種類に分けられます。 これらの腸内細菌の総数はほぼ一定しています。そして、善玉菌と悪玉菌は腸内で互いに勢力争いを繰り返しています。 ですから、私たちが健康でいるためには、善玉菌を優位に保つ必要があるわけです。 善玉菌には、全身の新陳代謝や免疫力を強化するといった働きがあります。 そうした働きに加えて、善玉菌は脳に必要な栄養を十分に供給するという、重要な働きも担っているのです。


●善玉菌の働き@「脳を働かせるビタミンB群を合成」

では、腸内では、脳に必要などんな栄養素が作られているのでしょうか。
腸に善玉菌が増えると、腸内ではビタミンB群が作られます。 ビタミンB群は、脳の若さを保つ上で、特に重要な栄養ともいえるものです。 脳の神経細胞は、エネルギーを得るのに、脂肪やたんぱく質からではなく、もっぱらブドウ糖をエネルギーに変換しながら 活動を続けています。そのブドウ糖をエネルギーに変える役割を担っているのがビタミンB1なのです。 ビタミンB1が不足すれば、慢性疲労や気力の減退、情緒不安定や記憶力の低下といった症状が現れます。 また、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸などには、脳の神経細胞をスムーズに働かせる作用があります。 これらのビタミンB群が十分に供給されることで、脳の活動が維持されるといっても過言ではありません。 ビタミンB群は、玄米・大豆食品・卵黄などに含まれていますが、こういった栄養素を作る腸内の善玉菌の働きを 活発にすれば、体内で自然に供給されていくのです。


●善玉菌の働きA「脳内ホルモンの合成にも関与」

腸内の善玉菌は、脳の働きを担う脳内ホルモンの合成にも関わっています。 私たちの脳は、約1000億個の神経細胞と、それを支持する2000億個のグリア細胞(神経細胞に栄養を供給したり 老廃物をうけっとたりする細胞)によって構成されています。 神経細胞には樹状突起という突起部があり、その先端に位置するシナプスという部分で、 神経細胞どうしの情報交換が行われています。この神経細胞どうしの情報交換を行っているのが、 脳内ホルモンと呼ばれる神経伝達物質。脳内ホルモンは体内で合成されますが、そのさいにも、 腸内の善玉菌は重要な役割を果たしているのです。 たとえば、善玉菌の代表でもあるビフィズス菌はレシチンというリン脂質を合成しますが、このレシチンが脳に運ばれると、 脳の記憶に関係する働きを担っている「アセチルコリン」という脳内ホルモンに変化します。 また、ドーパミンという脳内ホルモンは、不足するとパーキンソン病(脳が変性し、最終的には寝たきりになる病気) の原因になるといわれていますが、やはり善玉菌によって合成されるビタミンB6によって、 脳内で作られることもわかっているのです。


●善玉菌を増やすには?

このように、腸内に棲む善玉菌は、脳の働きを活発にする栄養や脳内ホルモンの合成に深く関わっています。 腸の働きを若返らせることでアルツハイマー病を予防できるのも、善玉菌の働きによるもの。 つまり、ボケ防止には、腸で善玉菌を増やすことがとても大切というわけです。
では、善玉菌を増やすためにはどうすればいいのかといえば、善玉菌そのものである乳酸菌を多く含む食品を、 ふだんから積極的に食べることが肝心。例えば、ヨーグルトや納豆、漬物、キムチといった食品です。 また、大量の乳酸菌を粉末にした食品も市販されています。 さらに、善玉菌の住み家を提供し栄養にもなる、オリゴ糖や食物繊維を摂ることも大切です。

【関連項目】
『乳酸菌』